生成AIアプリケーションの開発が急速に進む中、ノーコードやローコードでAIアプリを構築できるツールが多数登場しています。中でも注目されているのが「Dify」「LangChain」「Flowise」です。
これらのツールはそれぞれ異なる設計思想と強みを持ち、ユースケースに応じた選定が求められます。本記事では、Difyを中心に、LangChainおよびFlowiseとの機能・特徴・導入難易度を比較し、最適な選択を行うための情報を提供します。
Difyとは何か(復習)
Difyは、オープンソースで開発されているノーコードAIアプリ構築プラットフォームです。以下の特徴があります:
- GUIベースのインターフェースでプロンプト設計が可能
- PDFやCSVなどのデータアップロードを通じてRAG構成を簡単に構築
- 複数のLLMに対応(OpenAI、Anthropic、DeepSeekなど)
- API連携や自己ホストによる拡張性も兼備
LangChainとの違い
LangChainは、PythonをベースとしたLLMフレームワークであり、コードによる柔軟なフロー設計が可能です。主な違いは以下の通りです:
| 項目 | Dify | LangChain |
|---|---|---|
| 構築方式 | ノーコード | Pythonプログラミング |
| 対象ユーザー | 非エンジニア | 開発者 |
| 学習曲線 | 緩やか | 急峻 |
| 柔軟性 | 中 | 高(完全自由) |
Flowiseとの違い
Flowiseは、LangChainを基盤とするノードベースのビジュアルエディターです。以下の点でDifyと異なります:
- ノード接続によってプロンプトやRAGの処理フローを視覚的に設計
- より柔軟なワークフローが可能だが、構成が複雑になりやすい
- DifyはFlowiseよりシンプルで業務向けに特化している
比較表:主要機能と特徴一覧
| 項目 | Dify | LangChain | Flowise |
|---|---|---|---|
| 構築方式 | ノーコード | コード | ローコード(ノード) |
| 対象ユーザー | 業務担当者 | 開発者 | テクニカル担当者 |
| 柔軟性 | 中 | 高 | 中〜高 |
| RAG対応 | あり | あり(手動構築) | あり(ノード指定) |
| 導入難易度 | 低 | 高 | 中 |
導入難易度と対象ユーザー
どのツールを選ぶべきかは、チームのスキルセットと目的によって異なります:
- Dify: エンジニア不在の業務部門、PoC段階、小規模チーム
- LangChain: フルスタック開発者、複雑な処理や高度な統合が必要な場合
- Flowise: UI操作は好むが、ある程度の設定力がある技術職向け
ユースケース別の最適解
- 社内FAQチャットボット:Dify
- Webスクレイピング+AI応答:LangChain
- 複雑なワークフローを設計したプロトタイプ:Flowise
まとめ
生成AIアプリ開発における選択肢は多岐にわたりますが、それぞれの特徴と目的を理解することで、最適なツール選定が可能になります。
Difyは、特にビジネス現場において最初の一歩を踏み出すための最適解です。
次回予告
次回の【Dify連載09】では、「DifyのRAG構成をカスタマイズする方法」と題して、ナレッジベースと検索設定の応用テクニックを紹介します。